中国におけるアルミ鋳造工場(中子・低圧鋳造機)の臭気対策
事例のポイント
- アルミ鋳造、中子製造、低圧鋳造機(LPDC)
- 臭質:樹脂の焦げたニオイ、中子製造時のツンとしたニオイ
- 臭気成分:フェノール(鋳造時)、アンモニア(中子製造時)
- ガス特性:粉塵が多い
- 建屋が広く、排気は屋上ベンチレーターのみの為どこをどう対策したら良いかわからない
- 周辺に駅や学校、マンションがあり、工場周辺より苦情が発生している
TIPS:中国における鋳物工場の臭気苦情
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鋳物工場では製造工程において強いニオイが発生します。
樹脂で固めた砂の鋳型に溶融した金属を流し込む際に発生する樹脂の焦げた強いニオイや中子製造時に発生するツンとした刺激的なニオイです。
当工場も同様に臭気に悩まされておりました。
立地は工場周辺に駅や学校、マンションが建ち並ぶ街の中心です。
建屋自体が大きく、換気設備も少ない為、周辺への臭気影響を低減させる為にはどこから手をつければ良いかわからないという事でご相談を頂きました。
事例の流れ
第1ステップ:臭気対策アセスメント
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臭気対策をスタートする当たり、まずは現状状況をより詳細に調査し、周辺へ影響を及ぼしているであろう箇所を特定する所から始めました。
臭気対策アセスメントでは私達臭気判定士が発生源全てにおいてニオイを定量(数値)化し、対策の優先順位を決定します。
当工場では、アセスメントを実施し、屋上排気、鋳造工程、中子工程からの臭気レベルを把握し、どこから対策をしていかなければならないのかを順位付けしました。
また、臭気判定士が工場周辺を周り、実際に感じる臭気レベルと拡散度合いを確認しました。
第2ステップ:臭気拡散シミュレーション
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調査結果を基に臭気の影響度合いを可視化する臭気拡散シミュレーションを行いました。
目に見えないニオイを可視化する事で対策方法をより具体的にイメージする事ができます。
周辺で着地する臭気の強さを予測する事で排気口の所でどの程度低減させる必要があるかという『必要脱臭効率』を求めます。
これを実施する事で必要最低限の対策提案が可能となるのです。
第3ステップ:脱臭装置の導入
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必要脱臭効率を満たす為の対策として消臭剤マイクロゲル噴霧による対策を御提案致しました。
中子エリアでは消臭剤マイクロゲルの空間噴霧、鋳造エリアでは局所排気設備を施設内に設置し、局所排気で高濃度臭気を効率良く捕集し消臭剤噴霧で処理する事で場内臭気レベルを低減させ、屋上ベンチレーターより排出される臭気レベルを大幅に低減する事に成功しました。

使用型番:消臭剤マイクロゲルC-TK、S-NE(海外輸出)
この鋳造工場では、フェノール臭対策としてマイクロゲルC-TK、ツンとするアンモニア臭にはマイクロゲルS-NEを使用しています。中国へは海上輸送を行っています。