当初、お問い合わせを頂いた段階では臭気対策アセスメントのご依頼でした。目的は近隣住民への苦情対策を検討して欲しいとの依頼。
臭気濃度の測定からOERの算出、拡散シミレーションなどを実施した結果、周辺へ悪影響を与えているのは塗装工程の排気が14箇所あるうちの4箇所の排気口であるということが判明しました。
お客様が想定していた排気口とは違った結果となりました。
臭気発生源としては塗装ライン、電着塗装ラインなどを含む一般的な塗装工程から排出される臭気で、対象排気風量は300m3/min×4ラインの計1200m3/minの排気対策です。
お客様では導入に当たりMGスプレーシステムを始め、燃焼法の脱臭装置、活性炭の脱臭装置を検討されていました。しかし、それぞれの導入コスト、及びメリットとデメリットを検討した結果、お客様の工場の事情に最適な脱臭装置が消臭剤スプレー脱臭装置でした。
カルモアでも活性炭脱臭装置など、いくつもの脱臭装置を取り扱っておりますが、今回カルモアが消臭剤による脱臭対策を提案したのには訳があります。
お客様の工場屋上の耐荷重がほとんど確保されていなかったのです。
また、イニシャルコストもランニングコストも両方式に比べて、格段に安かったことも理由の一つです。
消臭剤スプレー脱臭装置のメリットは、装置寸法が小さく、重量的にも軽いこと。そしてイニシャルコストが相対的に安く、ランニングコストをコントロールすることができるということです。他の脱臭技術に比べ、大きくコストを抑える事が可能なため、現在非常に多くの工場で導入されております。
このお客様の場合、消臭剤スプレー脱臭装置の導入にあたってイニシャルコストで900万円(1次側電気・水道含まず)、ランニングコストが400万円/年程度となりました。
脱臭装置の導入後、嗅覚測定による臭気濃度を測定した結果、脱臭効率で70〜90%程度、原臭臭気濃度5000〜3200を1000〜790まで脱臭することができました。
(※臭気測定は悪臭防止法に定める三点比較式臭袋法にて実施)
使用する塗料により若干の除去率の違いはありますが、脱臭効率として安定的に70%程度を維持しております。
使用している消臭剤は塗装工場向けの消臭剤マイクロゲルS-VEです。塗装工程で発生するトルエンやキシレン、エチルベンゼンやメチルイソブチルケトンの消臭に大きな効果を発揮するモデルです。 |